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桜取らず2015.06.02 Tuesday
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やはらかき仔犬を拾ふ春隣
君の髪の桜取らずにをりにけり
てのひらをかさねて重し花月夜
寂しさをかかへて起きぬ花の雨
君の背ナ桜蘂ふるバイクかな
やはらかき
こいぬをひろふ
はるどなり
きみのかみの
さくらとらずに
をりにけり
てのひらを
かさねておもし
はなつきよ
さびしさを
かかへておきぬ
はなのあめ
きみのせな
さくらしべふる
ばいくかな
俳誌「炎環」2015年6月 -炎環集- 掲載 三句目、五句目;寒太推薦
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紅梅よ2015.02.05 Thursday
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紅梅よ七日過ぎれば帰らない
息を吐く冬青空の砂時計
立春や満月は欠けるから急ぐ
鉄板に湯気の立つ音春の雪
さきほど部屋の鍵を不動産屋さんに返して、引越しが終わりました。
あわただしくて感傷的な気分にひたれなかったのですが、それでもちょいちょい、ふと。
昨日は、冬青空。
荷物をダンボールにひたすらつめてトラックで運んで、
夜は、立春の満月。ダンボールの積み上がる。
今日は、雪降る中を掃除して、
カーテンを外して、空になった部屋。
鍵を返せば、二度と帰らない。
今週末は、ダンボールをひたすら開けます。JUGEMテーマ:花の記憶
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天狼や煙草のけむり手放せし2015.01.26 Monday
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天狼や煙草のけむり手放せし
てんらうや
たばこのけむり
てばなせし
煙草をやめないと夢がかなわない
と自分に言い聞かせて、禁煙した
という話を聞いた。
夜の道はうねって、狭くなって、
路地裏につらなる居酒屋の看板が
映画のセットのように
誰かが意図して配置したかのように
ライトに照らされて、ピカピカと光った。
どんな夢なのかなぁ、と思った。
狼のように、犬のように、
少しだけ、たてがみがふさふさとしたライオンのように歩く...
星に願いを。
かなってほしいなぁ、と思う。
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手伸ばせば泣きだしさうな寒満月2014.12.05 Friday
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手伸ばせば泣きだしさうな寒満月
てのばせば
なきだしさうな
かんまんげつ
ああ、泣けたらいいのに...
今夜の月はピカピカ
遠くから冷たい風がやってきて
高いところで月を磨く
俳誌「炎環」2015年5月 -三井つうの感銘十句「炎環」2月号より-
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友と韮ひつぱりあひしチヂミの夜2014.05.30 Friday
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紅梅と雲なき空のラプソディー2014.03.23 Sunday
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紅梅と雲なき空のラプソディー
こうばいと
くもなきそらの
らぷそでぃー
青い空、ピンク、青、紅梅、、、
雲ひとつない旋律
ピンクと青の狂想曲が立ち昇る
Rhapsody of Red plum blossoms and Cloudless sky
SOGEN書芸塾ARC(平野壮弦先生)2014年2月
俳誌「炎環」2014年6月 -炎環集- 「紅き梅雲なき空のラプソディー」掲載
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電灯に透ける紅梅君のゆび2014.03.11 Tuesday
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電灯に透ける紅梅 君のゆび
でんとうに
すけるこうばい
きみのゆび
今宵、月は半月
君と仲良くなりたい 話したい
Red plum blossoms to be transparent to electric light
And your finger
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安曇野の空気を啜る走り蕎麦2013.09.29 Sunday
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安曇野の空気を啜る走り蕎麦
あずみのの
くうきをすする
はしりそば
まつげぱっちり もみじのめ
ふっくらほおは こおりかな
おちょぼぐちは どこかしら
するするすると いただきます
Suck in just-harvested soba with the air of Azumino
毎日新聞 ケータイ写真俳句[9月6日正午〜13日正午受付分]入選
選者:大高翔先生
「安曇野の空気」だけでも美味しそうですが、「走り蕎麦」と共にであれば、さらに美味でしょう。
軽やかで洒脱な、挨拶句がいいですね。
俳誌「銀漢」2013年10月号 -金星句会- 掲載
俳誌「銀漢」2013年12月号 -星雲集 伊藤伊那男選- 掲載
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日なたにもひとすぢの風 涼新た2013.09.18 Wednesday
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日なたにもひとすぢの風 涼新た
ひなたにも
ひとすぢのかぜ
りやうあらた
A breeze into a sunny place
Brand new coolness
毎日新聞 ケータイ写真俳句[8月30日正午〜9月6日正午受付分]
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白芙蓉繰りかへし云ふさやうなら2013.09.07 Saturday
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白芙蓉繰りかへし云ふさやうなら
しろふよう
くりかへしいふ
さやうなら
White cotton rose
Good-bye to say repeatedly
繰りかえし云う グッバイ
長すぎる夏休みに
暑すぎる太陽に
今朝の白い花に
繰りかえし云う さようなら
毎朝笑いかける花は
繰りかへし云ふ さやうなら
夜には閉ぢて...
毎日新聞 ケータイ写真俳句[8月23日正午〜8月30日正午受付分]金賞
選者:大高翔先生
「白芙蓉」が情感を秘めた美しさを感じさせます。
「繰りかへし云ふさやうなら」には、別れを言い聞かせているような、別れ難いような場面を想像しました。
またいつか白い芙蓉の咲くときまでの別れ、そう心の中で言い聞かせているかもしれません。
新黄金俳句会 松川洋酔句座 2013年8月
俳誌「銀漢」2013年12月号 -星雲集 伊藤伊那男選- 掲載
写真とコトノハ展 Vol.7 @銀漢亭 出展
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