-
鈴は雲の音2020.04.10 Friday
-
梅雨晴れや鈴は雲の音帯祝
腹丸し夏三日月の抱き枕
蝸牛単身赴任ぬめり出す
できるだけ赤き西瓜を喉渇く
紫陽花の葉に穴の開く真昼かな
夫ひとり分の荷物やくちなしの香
蛇の衣大きな手をもつ引つ越し屋
梅雨曇淡きホームに我ひとり
守宮啼く自動販売機の灯り
蜘蛛の巣の取つても取つても同じ場所
息したし胡瓜の曲がる長き雨
夏草のすつかり濡れて地に垂れり
傷跡に梅雨満月の軟膏を
屋根をうつ梅雨のやはらか鳥の声
顔と部屋映る電話や二重虹
玄関の濡れて馬陸や箸につまむ
とりあへず出社やバスに夾竹桃
腹動く子に蹴られしか桜桃
雨空の奥に初蝉灯りたり
蝉の声鈴の音に似し日暮れかな
つゆばれやすずはくものねおびいはひ
はらまるしなつみかづきのだきまくら
かたつむりたんしんふにんぬめりだす
できるだけあかきすいくわをのどかわく
あぢさゐのはにあなのあくまひるかな
つまひとりぶんのにもつやくちなしのか
へびのきぬおきなてをもつにつこしや
つゆぐもりあはきほーむにわれひとり
やもりなくじどうはんばいきのあかり
くものすのとつてもとつてもおなじばしよ
いきしたしきうりのまがるながきあめ
なつくさのすつかりぬれてちにたれり
きずあとにつゆまんげつのなんかうを
やねをうつつゆのやはらかとりのこゑ
かほとへやうつるでんわやふたへにじ
げんくわんのぬれてやすでやはしにつまむ
とりあへずしゆつしややばすにけふちくたう
はらうごくこにけられしかさくらんぼ
あまぞらのおくにはつぜみともりたり
せみのこゑすずのねににしひぐれかな
書は、2014年秋SOGEN書芸塾ARC作品展 Feel!に出展した作品ですが、
昨年(2019年)の梅雨の時期に詠んだ句の連作にぴったりで。
まるで、ずっと先に起こることを
書にしていたようで。。。
JUGEMテーマ:花の記憶
ブログランキングに参加しています(⌒▽⌒)
↓ポチッと応援クリック↓いただけると励みになります★
にほんブログ村