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    初音 いま 空をひと針縫ふほどに


    初音 いま 空をひと針縫ふほどに

    はつねいま
    そらをひとはり
    ぬうほどに

    初音;鶯の二月初め頃のホーホケキョという鳴き声
    ※鶯は季節によって鳴き声が変わります。初音は美しいです。




    鶯や 空をひと針縫ふ 余韻

    うぐいすや
    そらをひとはり
    ぬうよいん

    不意に 青空へ 一直線に 響く 囀り
    青空の 何処かに 鶯
    姿はみえない
    残る余韻...




    俳句の季語で「鶯」と書くと、姿ではなく、鳴き声を意味します。
    姿は暗緑褐色つまり鶯色で、小さく、景色に紛れてみつけづらいのですが、
    鳴き声は美しく高く、いち早く春を告げます。
    実は、姿もかわいいと思うのですが...俳句の世界ではそういうことになっているのですよね...

    [FUKUU's photo haiku]
    Now, the first song of the nightingale this spring puts a stitch in the sky.

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    俳誌「銀漢」2012年4月号 -金星句会- 掲載
    句会へ「鶯や 空をひと針縫ふ 余韻」にて出したところ、
    伊藤伊那男先生から、視点は良いが分かりやすくしたほうが良いとの講評をいただき、
    「初音 いま 空をひと針縫ふほどに」と添削していただきました。ありがとうございます。

    俳誌「銀漢」2012年6月号 -星雲集- 掲載
    俳誌「銀漢」2012年7月号 -6月号星雲集十句選 松川洋酔選- 掲載
    JUGEMテーマ:鳥が好き!

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    posted by: 福田 泉(FUKUU) | | 00:09 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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      音楽を待ちて 天井 陽炎へり


      音楽を待ちて 天井 陽炎へり

      おんがくを
      まちて てんじょう
      かげろえり

      THE DEKITSのライブを聴きに、原宿クロコダイルへ行きました。
      たくさんのすばらしい音楽が育っていった老舗のライブハウス、
      天井にはクロコダイルがいました。

      そして、ミラーボール。(ミラーボールが光るのを見ながら踊るのが好きです。)



      バーカウンターへ寄って、ジンライムをもらって
      人混みを掻き分け、ステージ前へ行きました。

      ライブに間に合うよう、
      朝からハラハラしながら仕事をして急いで会社を出たきたせいか、
      ジンライムは、
      月を絞ったように、少し冷たくて微かに黄色い味がして、
      体に透きとおっていきました。(音楽が絡むと、お酒は美味しいです)



      前のTHE DEKITSのライブで顔見知りになった女の子とちょっとおしゃべりして、
      音楽を待ちました。

      やがて、ライブが始まって、甘い声とアコースティックギターの、キラキラした時間...

      ライブ中に田上修太郎さんが、
      「(小沢健二さん、小山田圭吾さんのいた)フリッパーズギターも
      カジヒデキさんのいたブリッジも
      ここで演奏したんだよね。天井にクロコダイルがいるよ。」と言いました。



      数々の音楽がステージから立ちのぼり、
      天井のクロコダイルの周りに、
      陽炎のように漂っているかもしれない...

      CDでしか聞いたことのない、フリッパーズギター、ブリッジ。

      私も、陽炎に揺らめく、熱い演奏を覗けたら…

      そうして、また、目の前の、THE DEKITSの時間へ戻って、
      音楽が動き出しました。

      [FUKUU's photo haiku]
      Waiting the music, the ceiling is shimmering with heat haze.

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      毎日新聞 ケータイ写真俳句[2月10日正午〜2月17日正午受付分]掲載
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      posted by: 福田 泉(FUKUU) | 渋谷、原宿 | 23:48 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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        昨夜の雪 花びらのうへ 透きとほる


        昨夜の雪 花びらのうへ 透きとほる

        よべのゆき
        はなびらのうえ
        すきとおる



        蝋梅へ 昨夜の雪が 氷りつく

        梅は 半分 黄色くて 半分 透きとおり
        雪も 半分 溶けかかって 半分 透きとおる

        空気は ひんやりとして 湿り気に満ち
        蝋梅の香りが 満ちてくる

        昨夜は あくまでも白かった 雪
        今は  透きとおる



        東京のこの冬2回目の雪は、夕方から一晩降り続け、翌朝は晴れました。
        翌朝の通勤路、いつもの曲がり角です。



        [FUKUU's photo haiku]
        Yesterday's snow has been clear on the petal.

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        posted by: 福田 泉(FUKUU) | 三軒茶屋、世田谷 | 00:09 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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          絲よりて やがて「  」をぞ咲かせ初む


          絲よりて やがて「  」をぞ咲かせ初む

          いとよりて
          やがて「  」をぞ
          さかせそむ


          「糸」は、つい最近まで「絲」と書いていたそうです。

          「絲」=蚕の吐き出す糸を10本よりました、
          という意味だそうです。

          今は、簡単になって「糸」と書くので、
          蚕5本分なのですね^^



          今回の句は、空白「  」があります。

          絲をよって、紡いで、織って…
          その先に、何を咲かせたいですか…?

          私への問いかけでもありますし、
          差し支えなかったら、あなたへ問いかけてみたいです★



          [FUKUU's photo haiku]
          Let's spin yarn,
          in good time it will make bloom  "          ".


          spin yarn; 「糸をよって紡ぐ」、「話を紡ぐ」という、両方の意味があります。

          糸をよることは、話を紡ぐこと・・・
          "          " に入る、言葉は、何・・・?

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          平野 壮弦先生のSOGEN書芸塾ARC(アーク)にて、
          2月のテーマは「糸」でした♪

          「可愛らしいが…空白を人に考えさせるとは、Sだなぁ」
          との講評をいただきました^^ありがとうございます。

          JUGEMテーマ:花の記憶

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          posted by: 福田 泉(FUKUU) | | 23:46 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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            空の蒼 かすかに消えて 浅き春


            空の蒼 かすかに消えて 浅き春

            そらのあお
            かすかにきえて
            あさきはる

            抜けるような冬青空の、濃い蒼が、消えたような気がします。

            春夏秋と季節が巡り、また冬が来るまで、
            あの蒼に会えないのですね...



            [FUKUU's photo haiku]
            The blue of the sky fades out slightly in shallow spring.



            毎日新聞 ケータイ写真俳句[2月3日正午〜2月10日正午受付分]銅賞

            俳人 大高翔先生より
            「空の蒼」の「かすかに消えて」の色合いが、「浅き春」らしい柔らかさ。
            空の色からも、季節の変化を感じ取っている作者。
            色と季節感の微妙な変化を、みごと捉えましたね。

            との講評をいただきました。ありがとうございます。

            浅き春の太陽の光を、クリックしてみませんか^^→にほんブログ村 ポエムブログ 写真俳句へ
            冬の太陽ではない、
            でも春の太陽になりきっていない、光です。
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            俳誌「銀漢」2012年6月号 -星雲集- 掲載
            JUGEMテーマ:空の写真

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            posted by: 福田 泉(FUKUU) | 赤坂 | 22:59 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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              冴え返る 蕾の奥のひとやすみ


              冴え返る 蕾の奥のひとやすみ

              さえかえる
              つぼみのおくの
              ひとやすみ

              冴え返る;春になって、いったんゆるんだ寒気が、またぶりかえすこと



              梅の蕾、すくすくふくらんで、まんまるとした八重の紅白の花を咲かせてほしい
              と願っていますが・・・
              蕾にとっては、ふくらみ続けるのも、疲れちゃうかもしれませんね。



              冴え返る日、寒くてがっかりしますが・・・
              蕾にとっては、ふくらむことから、ちょっと開放されて
              蕾の奥のほう、ふくらみを作り出しているハートは、ひと休みできて
              ちょっと嬉しいかもしれませんね。



              暦は春になりましたが、なかなか暖かくならないですね。
              だけれど、冴え返る時も必要なのかなぁ・・・と。

              [FUKUU's photo haiku]
              While it's keenly cold again,
              the heart of the buds takes a rest.

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              梅の盆栽とローズマリーの鉢です。
              ローズマリーは水がかかると香りますよ♪
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              俳誌「銀漢」2012年4月号〜本部句会〜掲載
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              posted by: 福田 泉(FUKUU) | 部屋 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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                シクラメン 硝子戸ごしに夜を照らす


                シクラメン 硝子戸ごしに夜を照らす

                しくらめん
                がらすどごしに
                よをてらす

                寒い夜、震えながら歩いてきた私を、
                玄関先に置かれた、シクラメンの明るいピンク色が、
                灯台のように、
                優しく照らしてくれました。



                シクラメンは、篝火草(かがりびそう)というそうです。
                花びらが翻って、上へ上へ、炎のように、たちのぼります・・・

                [FUKUU's photo haiku]
                The cyclamen shines the night through the glass door.

                毎日新聞 ケータイ写真俳句[1月27日正午〜2月3日正午受付分]入選
                俳人 大高翔先生より
                「夜を照らす」で、「シクラメン」のあたたかさが感じられますね。
                「硝子戸ごし」という表現から、とても強いあたたかさが伝わってきました。
                との講評をいただきました。ありがとうございます。

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                俳誌「銀漢」2014年5月号 -星雲集 伊藤伊那男選- 掲載
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                posted by: 福田 泉(FUKUU) | 三軒茶屋、世田谷 | 00:28 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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                  やはらかくパーマをかけて 春隣


                  やはらかくパーマをかけて 春隣

                  やわらかく
                  ぱーまをかけて
                  はるどなり



                  ずっとストレートヘアだったのですが・・・
                  髪を伸ばすことにして、パーマをかけました。

                  髪にやさしい、デジタルパーマ。
                  低温で時間をかけて、午後のひととき。


                  ヘアスタイルも洋服も、「気分」のようなものだそうです。

                  気分を変えて、やわらかく。



                  [FUKUU's photo haiku]
                  Perming softly,
                  the spring neighbor.



                  「やはらかきパーマをかけて春隣」
                  現代俳句協会インターネット俳句会第130 回「一般の部G2」(H24年1月)高点句
                  現代俳句協会ホームページのトップページに掲載されました。


                  堀之内長一先生より、

                  春の近づく予感を、作者はやわらかな感じのパーマで表しました。
                  とてもいい感覚ですが、自分の気持ちを主体にするなら、
                  「やわらかく」ではないかと思いました。

                  との講評をいただきました。ありがとうございます。
                  投句は「やはらかき」ですが、「やはらかく」へ直しました。

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                  俳誌「銀漢」2012年5月号 -星雲集- 掲載
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                  posted by: 福田 泉(FUKUU) | 表参道、青山 | 00:42 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
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                    青空へ 桜が雪の花咲かす


                    青空へ 桜が雪の花咲かす

                    あおぞらへ
                    さくらがゆきの
                    はなさかす

                    東京のこの冬2回目の雪は、
                    夕方から一晩降り続け、
                    翌朝は真っ青に晴れました。



                    通勤路は真っ白で
                    慣れない雪道に、何回か転びかけましたが、
                    それでも雪は美しく、
                    いつもの道が、この日は、白くきらめいていました。



                    桜が、ひと足はやく、花を咲かせました。雪の花です。

                    [FUKUU's photo haiku]
                    Into blue sky,
                    cherry trees bloom cherry blossoms of snow.

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                    posted by: 福田 泉(FUKUU) | 赤坂 | 00:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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                      鬼門には 花柊の香る闇


                      鬼門には 花柊の香る闇

                      きもんには
                      はなひいらぎの
                      かおるやみ

                      今日は節分ですね。



                      柊(ひいらぎ)の葉は尖っている。

                      葉の刺に触ると、ヒリヒリ痛む(古語:疼(ひいら)ぐ)ことから、
                      「ひいらぎ」となったそうです。

                      「鬼の目突き」とも呼ばれ、鬼が逃げ出すため、
                      節分では、柊の枝を刺し、
                      鬼門には、柊を植えるそうです。
                      生け垣にして、葉の棘を、防犯目的で利用することもあるそうです。)



                      [FUKUU's photo haiku]
                      At the "demon's gate" (northeastern unlucky direction),
                      there's the dark of fragrance with holly flowers.

                      クリスマスの飾りにも、柊が使われますね。
                      英語では、柊は「holly」と、いかにもクリスマスっぽい、めでたい雰囲気なので、
                      だいぶ違うのかなぁ、と思いつつ...
                      俳句を英訳してみたら、
                      hollyな香りが、デーモンの門に漂うこととなり、
                      思いがけず、詩情あふれる一文となりました。

                      柊の葉の、棘々しい形が
                      文化の違いを超えて、人の心をくすぐるのかもしれません。

                      棘は怖くて、魅了される。



                      柊は、冬に白い花が咲くそうです。
                      モクセイ属なので、香るそうです。
                      キンモクセイ好きとしては、ぜひ嗅ぎたくて、気をつけて歩いていたのですが
                      見つからず・・・
                      今度の冬までお預けですね^^

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                      俳誌「銀漢」2012年1月号 -金星句会- 掲載

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                      posted by: 福田 泉(FUKUU) | | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |