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アベリアの藍の夕べへ溶け出せり2013.07.22 Monday
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アベリアの藍の夕べへ溶け出せり
あべりあの
あゐのゆふべへ
とけだせり
茜色というよりも、藍色の、夕暮れでした。
昼の熱の残る、青山通りのアスファルトの上に
アベリアの花の香りが、かたまりのように浮かんでいました。
私はまっすぐ歩いていて、
香りのかたまりの中へ入り込んでしまいました。
Abelia begins to melt into an indigo evening
アベリアの香りは強く、陽の光は強さを失いつつあり、
視覚よりも嗅覚が優位となり、嗅覚は触覚へ置き換わり、
香りを触り、重たさを感じました。
物体の境界線が、
私と世界を隔てる輪郭線が、
藍色の中へ溶け出していきました。
毎日新聞 ケータイ写真俳句[7月5日正午〜7月21日正午受付分]入選
選者:大高翔先生
「アベリア」と「藍の夕べ」がひとつに混ざり合っていく時間が見えてきます。
「溶け出せり」によって、夕暮れの時間帯が感じられます。
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蚊柱にベンチ取らるる夕間暮れ2013.07.18 Thursday
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木漏れ日や青梅ひとつ転がりぬ2013.07.16 Tuesday
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木漏れ日や青梅ひとつ転がりぬ
こもれびや
あをうめひとつ
ころがりぬ
駅までのいつもの道を歩いていたら
お尻のくっきりとした、みずみずしい青梅が転がっていました。
すっかり茂った梅の葉が
夏の日差しを受けて、濃い影を落として
額縁のように、青梅を縁取っていました。
梅雨は、「梅」の「雨」と書いて、
梅の実が熟する頃の雨なんだと、初めて実感しました。
雨の季節に、熟する実。
重なりゆく雨粒が沈んでいく中で、固く、育つ。
閉ざされている、と思っていた心は、開いていた。
In sunshine filtering through foliage,
one unripe plum has rolled.
君の成熟をそばで見守る。
離れたら終わりだから、そばで話を聞きながら。
私の話も聞いてもらいながら。
一緒に成熟しよう。
SOGEN書芸塾ARC(平野壮弦先生)6月
銀漢俳句会 金星句会 2013年6月 / 俳誌「銀漢」2013年8月号 -金星句会- 掲載
俳誌「銀漢」2013年10月号 -星雲集 伊藤伊那男選- 掲載
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君待つや軒にあふるる凌霄花2013.07.07 Sunday
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君待つや軒にあふるる凌霄花
きみまつや
のきにあふるる
のうぜんか
When waiting for you,
the eave brims over with trumpet creeper flowers
毎日新聞 ケータイ写真俳句[6月21日正午〜6月28日正午受付分]入選
選者:大高翔先生
「君待つ」楽しさがあふれ出しています。
「軒」の「凌霄花」が、のびのびと気持ちを表わしているようで、楽しくなってきました。
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